こんにちは。
 またメモです。

だまされるな郵政民営化 荒井広幸山崎養世著 新風舎 2005/08/05

 ■約24700局以上もの郵便局があるが、存続が約束されているのは2000だけ

 根拠無し。
 

 ■これまでの郵便簡保保険は全国の誰でも加入することができたが

 今まで知らなかった。
 こんなリスク無視の保険があったとは驚きである。
 今までよく破綻しなかった物である。

 ■郵便保険会社という怪物が・・・・参入したら我が国の生保は大混乱に陥るだろう

 すでに混乱状態に陥っている。
 特にガン保険に関しては外資が大きくリードしている。
 ただし条件等に関しては問題はある。

 ■特殊法人政府系金融機関、そして運用機関である財務省理財局の改革に取り組むべきだ
 
 これは正論であり、賛成である。

 ■機会の平等を保証するのが郵政の使命である。その結果公平な社会がつくられ、富む者と富まざる者の二極化の弊害を免れることが出来るのである。

 もし郵政が官営のままで「公平な社会」が築かれるのだったら「戦前」の不平等社会はなぜ築かれたのか説明しなくてはならない。

 ■政府は郵政が「税金を納めていない」というが、公社の改革の成果で資本が積み上がれば・・・・2分の1程度を国庫納付する。これが民間の法人税より高いのだ。

 あくまでも「成果」が出たらである。
 もしこのまま官営のまま維持しようと考え「成果」を出さない方向へ持っていたら払わなくても良いわけである。
 しかし民営にすれば「成果」を出さないと自分の身が危うい。
 まったく正反対の事が起こりかねない。

 ■市場が失敗の連続である。

 「成功の連続」であった時期もあるのだから一概に言えない。
 ある学説によると日本経済は実質「高度経済成長」が終わった時点で成長が止まっているということも言われている。

 ■預金保険機構・・・・銀行は・・・保険料として入れているのは5000億円・・・安全な国債で運用している・・・郵便貯金銀行は・・・最終的には1000億円を念頭に置いている。

 多いように思えるが郵便貯金銀行の「預金規模」を考えると一概に多いだろうか?
 郵貯は残高は約250兆円で個人預貯金の約4割を占めている。都市銀行の個人預金残高の約2.3倍、国内に本支店のある銀行の個人預金残高の合計約290兆円とほぼ同程度である。
 ただし上のデータは全国銀行協会のデータであり、ライバルを蹴落としたいのですから鵜呑みにはできない。
 あくまでも個人預金であって「法人預金」は入っていない。

 ■340兆円ものお金を特殊法人自治体などに貸して不良債権化している。貸し手はは財務省理財局である。

 これに関しては旧大蔵省も悪いが「政治家」の責任もある。

 ■特殊法人に融資するために約30兆円を郵貯簡保、年金に買わせている。

 信用力が無くて財投機関債の発行がままならない特殊法人に融資するために「財投債」を発行させて買わせているそうです。
 少し難しい問題である。
 たしか、前の方で「安全な国債で運用」と書いてあったはずなので、国債を買うことが悪い意味合いにとれる。
 もっとも「特殊法人」維持だけの為の国債を発行するのは言語道断である。

 ■各特殊法人は・・・自己で資金調達を行い・・・困難である特殊法人は・・・必要性などによって

 大いにやって欲しいところです。

 ■証券化によって郵貯が民間金融機関のスポンサーになり、これまで民間金融機関だけでは十分に供給されなかった中小企業やローンが組めないために住宅購入をあきらめていた個人などに資金を行き渡らせる

 郵貯国債以外の運用を提供する目的だそうですが、民間金融機関がなかなか手を出せなかったのは「不良債権」化のリスクが大だからであり、その不良債権証券化して引き取るのと言うのは「ハイリスク」過ぎる気がします。
 安定運用である「国債」とあまりにもかけ離れすぎている気がします。
 もっともこれくらいやらないと資金は潤滑にはながれないので挑戦してほしい気もしますが。

 ■全国2万5000の郵便局のネットワークは401kの切り札である。

 正論です。賛成です。

 ■この5年間で国鉄のために国鉄清算事業団郵貯から1兆円入れている

 これは知りませんでしたが、貸しているだけですよね?
 もしかしてあげちゃったのでしょうか?
 
 ■もしかして新しい銀行が地方に生まれて机一つで始められる。金融当局はここが怖いんです。

 コイズミは族議員の中でも「旧大蔵族」と見なされていました。
 おそらく今でも「財務省官僚」とは裏でつながりがあると言われています。
 今回の「郵政民営化」の本質は財投から特殊法人へ流れる金をシャットアウトすると言っていますが、実態は「財務省」の力の及ばなかった「郵貯」を民営化して「財務省」の管理下に置きたい意図が見え隠れしています。
 というより、まさに「お金」は財務省がすべて管理したい!というのが本音でしょう。
 そして財投の流れを絶つことで、今まで苦渋の決断・・・というかOBから言われていやいやしていた「財政破綻特殊法人」への融資を切ることで、財政の健全化を促進したい意図もあるかもしれません。
 なのでこの意見は賛成。もうすこしここの所をマスコミも報道して欲しいものです。

 ■日本の銀行サービスも他の国に比べたらまだ貧富の格差をつけてません。

 日本は外国と比べ中間層が厚いので「中間層」を取り込めば預金を集めることができたのでしてきたまでです。
 ただし、昨今の経済状況から貧富の差が拡大しつつあるので、銀行もプライベートバンクに力を入れてきている。

 ■シティバンクなんかは・・・月2100円の口座維持手数料を巻き上げている

 シティバンクと日本の地場銀行と一緒にしてはいけません。
 相手にしている「層」が違います。

 ■アメリカでは民の論理が徹底していますから銀行口座を開けない、クレジットカードを持たせて貰えない人がいるのはもちろん

 クレカに関しては、いままで莫大な額の「踏み倒し」が起こってきて発行会社が多大な被害を被った経験があるので厳しくしているのである。
 国民性の問題とモラルの問題である。
 現在の日本では銀行口座に関して「振り込め詐欺」に代表されるように「簡単」に口座は開設できる。
 なにも郵貯だけが簡単に開けるというわけではない。
 

 ■郵便貯金が世界最大の銀行に、簡易保険が巨大な生命保険会社になったら、社会保障を維持するための国債発行計画にも大きな影響をもたらし

 だからこそ、国債の使い道を厳選して「くだらない特殊法人」などにお金を行き渡らせないようにするのである。
 まず「金が無い状態」にしてから、本当に必要なもの、不必要なものを洗い出す必要があるからコイズミは荒療治に打って出た可能性がある。
 ただし、これは諸刃の刃である。
 失敗すれば国民生活にとって「役に立っていた特殊法人」さえも倒れる恐れがある。
 特殊法人と官僚、そして政治家が結びつけば「強い」ところは生き残り、弱いところは有用でも切り捨てられる恐れがある。
 話は外れるが、なぜか「コイズミ」になって国債発行額は過去最高を記録している。
 これはこのことを見越して資金集めに動いている「特殊法人」が存在するのだろうか?

 ■島根県は・・・2出張所のサービスを郵便局に委託することで3人の職員と3000万円の予算を福祉に振り分けることに成功した。

 いい話です。ぜひ官営郵便局では無く、民営郵便局の営業マンが全国の自治体に働きかけ仕事を取りましょう(w