宗教・文化・開発1日目

 こんにちは。
 今回は宗教についての講義を受けてます。
 1日目は「キリスト教」「イスラーム」です。明日は「ヒンデゥー教」「仏教」です。
 キリスト教南山大学の現役神父さん(オーストラリア人)。イスラーム名古屋大学の教授(日本人)
 ヒンデゥー教は名城大学の名誉教授。仏教は現役の僧侶の方でNGO団体の主宰者です。
 1日目が終わり、なかなか有意義な講義だと思いました。
 結構イスラームの偏見が取れたような気がします。
 以下は今日のメモ書きです。

インディラガンジー暗殺は宗教問題か?
パンジャブ州 400km 大穀倉地帯 小麦畑 インドの食料庫
富の再配分 農民の不満
パンジャブ州 シーク教徒 神秘主義 カースト認めない
黄金寺院 ←攻撃 ガンディー
        暗殺→
イスラームは貧乏神か?
ケーララ州 イスラーム人口比率インド1 20% インド全体10%
QOL1位 女性の識字率1位
ただしケーララ州のイスラーム教徒は貧しい
アイデンティティの政治
インド5月総選挙
BJP敗北・・・8年間政権 IT産業好調
国民会議勝利
なぜ負けたか当事者も困惑
理由
1.所得格差の拡大がひらいた。取り残された人がいた
2.BJPの根幹 ヒンデゥー至上主義
インド成立当初は政教分離政策
ヒンデゥー至上主義に対する反発 至上主義に対する警戒心。危険と判断。

キリスト教と開発
開発→布教の手段として使った
飢饉→洗礼を受けるとゴハンは貰える→宗徒拡大
義和団の乱の発端
援助活動は人のために行う。拡大の為の下心があると成功しない。
1970年代パプワニューギニア
オーストラリアから教育活動、宗教活動、学校をオーストラリア方式で展開
パプワニューギニアの教育レベルは著しく向上したが産業がないので勉強しても職がない。
失業率98% 犯罪が多発。宗教者は洗礼をより多く受けさせるかだけ考えていた。
1420年ポルトガル東洋へ→植民地→黒人奴隷
ローマ帝国の時代 ユダヤ教キリスト教と迫害。多神教国家とはうまくいった。一神教の対立。
ローマ国教化 昔の宗教が通用しなくなった。
20世紀に植民地政策への反省 他宗教へ目を向けた。
共産主義の影響→貧者に強い影響力を持った。キリスト教も当初は貧者救済だったと気づいた。
宣教師 2度の大戦を経験した者。外国の状況を経験した者→改革

ペルーでミサを開き小さなパンを配った、終わった後「私は信仰心が無いのにパンを貰いました。なぜなら3日何も食べていないから」という懺悔を聞いた。
非常にショックを受けキリスト教儀礼では無く救済であると気づき貧者救済に乗り出した。
現世の和解→あの世←この世での和解
昔:信条が教会と同じ
今:自らの行いが正しい
正しい行いの為に苦しんでいる人がいれば間違っている。
キリスト教の反省
キリスト教 欧米だけのものではない。南半球の方が多い。途上国の宗教になってきた。
ヨベルの年 50年ごと 人間の一生分の時間 土地の返還、債務帳消し、奴隷解放
一人一人の責任
行きのための物質:他の権利より優先。しかし所有権と激しく対立。
補完性の原理地方分権的 地域内でやっていることを理解する。貿易は補完。
援助は援助する側の都合で行われてきてしまった。

イスラームのとっての開発
ムスリム 絶対服従する者
イスラム暦 ラマダーン9月 断食月 日の沈む→月出 太陰暦 月が主役
宗教の最終的な集大成がコーランであると主張
断食:食料&生産者への感謝。コミュニティの確認
ただし、妊婦、旅人、病人は免除
インドネシアは世界最大のイスラーム国家 2億人
トルコのEU加盟問題
トルコ 7千万人
五行
1.礼拝:1日5回 ただし現代社会では不可能なので1回にまとめて行う
2.信仰告白 礼拝の際にすます
3.断食
4.ザカート
5.メッカ巡礼 ザカートと共に推奨儀礼(できるひとだけすれば良い)帰ってきた後近所の人をもてなす→金持ち
現在は13億人の信者がいるので国別に人数を制限している。
ヴェールで抑圧された女性 カーテンの意味
人間は誘惑されやすい。
婚姻関係によらない性的交渉の禁止 部族社会の影響
女性を見ると男性が誘惑に負けてしまうため。
婚姻の際の契約書 婚資金制度 夫が妻にいくら払うか決める(夫が死去の場合や離婚の場合)親戚が決定する
砂漠社会だったので不確定事項が多いため契約社会に
イラン・アフガニスタンにおけるジェンダーと開発
遺産相続:女性は男性の1/2しか相続できない←欧米から女性蔑視だと非難
ただし、婚約契約書の婚資金と会わせると男性と同額になる。
欧米とイスラームとの感覚の違い。欧米1:1 イスラーム一生のうちで帳尻があえば良い
イランの特殊性
女性の識字率が高い それ以外は識字率が低い
出生率が低い。識字率が高いので。
婚資金は物価スライドで増えていく
イランの大学では1/4が女性教授
アフガニスタン 今までの産業は「ケシ栽培」→それ以外の産業育成
帰還兵士の対策
カブールは極度の交通渋滞 無計画な援助計画のため道路が整備されていない にもかかわらず車を輸入させるので混乱
アメリカ 中東の民主化 民主化して人口を抑制しないとイスラーム教徒が増え続ける事への危機感。
大きな問題への発展と対策→予兆:女性問題を取り上げだしたらアメリカが押さえつけ始めると理解しても良い
イスラーム「教」とは現在は言わない。
単なる宗教という枠組みでは捉えきれない。
コーラン 一つの価値観 社会規範
イランでは政治体制そのもの
民法の役割
「教」とは固定できない
原理主義は忠実に守ろうとするが、宗教はがんらいゆるやかはもののはず。

質疑応答
キリスト教
破門:悪い考えを広めようとしているものに対して破門する場合がある。
宗教が心の問題と考えるようになったのは最近のこと(キリスト教
元来は社会的な役割。キリスト教国家。ローマ法王 中世 教会を中心としたコミュニティ
ローマ帝国では国教
宗教戦争 宗教に対する反発
ヨーロッパで主流の宗教 無いと考えて良い 世俗的になっているため(政教分離政策)
アイデンティティを乗り越える
ガンジー 神はすべての人間に心理を伝えている キリスト教イスラームも行き着くところは同じ
固いグループ意識をもったキリスト教は不要
グループアイデンティティを越えるものが必要
信仰は必要だが宗教は不要
一神教はどうしても排他的になってしまう傾向がある。
三位一体 二元論では決してない
善きサマリア人のたとえ
和解 イラク戦争 宗教戦争の意味合いをもってきている
結果:キリスト教イスラームの両者の穏健派は仲が良くなった。対立しているのは双方の原理主義者同士のため。
原理主義への反発。宗教は人を縛るものでは無く救うもの。
南アフリカ アパルトヘイト後 黒人拷問した役人は告白して罪を認めれば無罪になった。認め合う。対立構造の解消。犯罪が減った。
日本の北朝鮮外交。メガワティ
和解:イラン対アメリカ 1979年イラン革命 アメリカ大使館占拠 国交断絶状態
背後には二元論(善 対 悪)の対立がある。背後には双方の強硬派(原理主義者)
ブッシュ=キリスト教原理主義が指示
イラン=シーア派が主導権。ゾロアスター教の影響 アメリカ=サタン
日本の状況:西洋にあこがれて洗礼を受ける者が目立つ エリート意識
宗教と宗教の和解は難しいが、信者と信者の和解は可能である=人間と人間の和解は可能。

イスラーム
スカーフ イランでは義務化、しかし社会にとけ込んでいてファションになっている。
欧米の教育が色濃いとスカーフは半分しかかぶらないとか差別化 抵抗
トルコ 政教分離 政府が推し進めれば推し進めるほど民衆は反発してイスラームへ向かう。
性犯罪:白い衣装を着るとパキスタンではチカンにあってしまう。黒の衣装を着るとチカンにあわない。
現地の女性に言わせると黒以外ではされて当然。
色によって扱いが変わる。
トルコのEU加盟問題 EU人口2億、トルコ7千万人 95%イスラム教徒 EUのイスラームを合わせるとEU人口の1/3はイスラーム教徒になる
ヨーロッパ 個人←中世からの脱皮 宗教からの解放 市民革命
イスラーム 政教一致が原則
イスラム世界 植民地時代 20世紀 我々はなぜ植民地にされてしまったのか自戒→イスラムの精神に戻ろう(問いかけ直し)
9.11以降 穏やかなイスラームが見えなくなった。アメリカマスメディアの「イスラム=敵」報道のため
フランス スカーフ問題 フランスの政教分離は歴史的なためイスラーム社会でも賛成者がいる
一世 その社会にとけ込もうとして同化
二世 余裕があるため
アメリカでも理科系の人間でもイスラームに走る
経済的・物質的 対抗 孤独感・疎外感 地方から都会へ 努力しても豊かになれない 宗教に頼る
ザカート=喜捨 富める者が富を社会へ再配分する。政府の手の届かない所へ届く。ただし宗教的なものには汚職が発生しやすい